濡れ縁
皆さん既にご案内の通り、背広には注文服と既製品があり、同様に、家にも注文住宅と
建売住宅とがありますよね。昭和も40年頃までは、注文住宅が結構幅を利かしておりま
して、三和土(タタキ)や上り框(アガリカマチ)や床の間等々、施主さんのご趣味を採り入れた日本
住宅がそんなに珍しかぁなかったのです。しかし、最近は、自宅を「建てる」とは言わず
に「購入する」と言うくらいに建売住宅しか見掛けなくなり、家主の人柄まで偲ばれる様
な味わい深い日本住宅はスッカリ駆逐されてしまいました。時流とは言え淋しいことです。
そんな滅びつつある日本家屋様式の一つが「縁側」でしょうな。硝子戸で庭と仕切られ
たモノを単に「縁側」と呼び屋外に晒されているモノを「濡れ縁」と称します。どちらも
日向ぼっこやお昼寝、或いは立ち寄られたご近所さんとの茶飲み話の場として随分重宝さ
れたものです。到来物のお裾分けなんぞも留守宅の濡れ縁に無造作に置かれてましたな。
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