手妻じゃあるまいし・・・
昨日に引き続き、モノの消費状況に関する 家内の「天然ぶり」のお噂を もう一席。
五、六年ほど遡りますが、浅草に出掛けたついでに、結構、名の知れた唐辛子屋で七味
とその入れものをお土産に買い込みました。和樽を模した容器で、樽の天板の穴に 小さな
木栓が生意気に差し込んであって、使用時には 栓を抜いてパラパラと振りかけます。半年
ほどの間に、三度も、中身の七味を 補充したでしょうか。何せ、私は うどんや蕎麦は 言う
にゃ及ばず、冷奴にまで七味をかけないと気が済まんのです。ある日、朧昆布蕎麦に七味
を振って手繰(タグ)っていると、家内が感に堪えない風情で 「老舗の七味は凄いよねぇ。買
ってからもう半年も経つのにまだ無くならないよ。好く保(モ)つもんだ」と呟くではありません
か。腰が抜けた私は「何 言ってるんだ。手妻じゃあるまいし、使って無くならないって 法が
あるかよ」と震え声で 窘(タシナ)めましたが、あん時ゃ 少し恐かったです。
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